大阪府豊中市 信頼と安心に基づいた獣医療を大切な使命として。
Sakura Animal Hospital
〒560-0052 大阪府豊中市春日町5-3-1
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血液透析

犬猫にとっての血液透析の現状を説明致します…

はじめに

人では一般的な透析も、動物で受けることが出来る病院は、まだまだ少数だといえます。また、人工透析機は確かに使用 頻度が高いとはいえない装置の一つではあると思います。

しかしながら、少数ではあっても人工透析でないと助けられない病気や状態は確かに存在します。 例えば、急性腎不全や中毒などのケースでは尿がつくられなくなった状態に陥ることは珍しくありません。

尿が出ない、作られないということが死因となってしまう、このような症例の中には腎臓の機能が回復されるまでの時間さえ保てれば、 再び尿を産生できるようになるものも少なくありません。 透析措置が最も効果を発揮するのはこういったケースです。 腎機能を代替して働くことにより救命率を格段に向上させることができます。

どのようなときに?

前述したように一般的に急性腎不全といわれる、尿を作るという腎臓の大切な機能が重度に低下、あるいは消失した場合が一番の適応になります。 急性腎不全の原因は様々ですが、感染症や中毒などがその多くを占めています。

猫に多い慢性腎不全(急性ではない)においては、その状態により透析の適応かどうかが異なります。 有効だと思われるケースがある一方で、あまり適さないケースもあります。

例えば、慢性腎不全に伴うことの多い「貧血」があるときには透析は適しません。慢性腎不全に対する使用に関しては特にしっかりとした状態の把握が必要となります。

それでは実際にはどのようにするのでしょう?

血液透析をするにはカテーテルという管を介して血液を体外で透析装置に還流させます。 体外を出た血液はダイアライザーというまさに腎臓の役目を果たす装置を通って浄化され、再びカテーテルを通り体内に戻っていきます。 この循環をおよそ数十分から数時間行います。 基本的にカテーテルは装着したままにして、状態に合わせて毎日あるいは数日おきに透析処置を繰り返します。

麻酔は、最初のカテーテルを装着する際に必要となります。 もちろん、協力的な子であったり、重度に衰弱した子では麻酔処置は必須ではありません。 局所麻酔を駆使することで対応が可能なこともあります。

当院では数年前に動物用透析装置を導入し、透析治療を行っおります。 人の透析のイメージとは異なる部分が多いことは間違いありませんが、今後ますます必要となってくる治療の一つではあると実感しています。

しかし、本来は、早期に腎臓病を診断して、透析など無しに永く健康でいられるようになることが実は最も大事なことだと考えます。 これからも私たちは 透析の事だけでなく、腎臓病に関しても皆様に的確なアドバイスができるよう腎臓病のスペシャリストを目指しています。 いろいろなこと、どうぞ遠慮なくご相談ください。