大阪府豊中市 信頼と安心に基づいた獣医療を大切な使命として。
Sakura Animal Hospital
〒560-0052 大阪府豊中市春日町5-3-1
[一般診療] 9:00〜11:40 16:00〜19:00

フレンチブルドックについて

200例以上の手術実績(軟口蓋過長症・鼻孔狭窄症)

日本獣医皮膚科認定医による皮膚科診療

犬の短頭種気道症候群をご存知ですか? いびきやガーガーという鼻の短い犬の呼吸の病気…

フレンチブルドッグやパグ、ボストンテリア、イングリッシュブルドッグなどの短頭種と呼ばれる犬種では、鼻から気管にかけての気道の構造が狭くなりやすいという特徴があり、暑さや興奮時に呼吸状態が悪くなることがあります。このような短頭種に多く発生する呼吸器の症状を「短頭種気道症候群」といいます。

短頭種の多くが先天的に「外鼻孔狭窄(鼻の穴が狭い)」や、「軟口蓋過長(口と鼻を隔てている上あごの壁が長すぎてのどの奥に垂れている)」といった形態異常を持ち、 それに伴う呼吸の妨げにより「喉頭小嚢の外反(喉頭の声帯付近が内側に腫れ上がる)や 「気管低形成」、「喉頭や気管の虚脱(喉頭や気管を支える軟骨が弱ってつぶれてしまう)」を引き起こすこともあります。

症状としては、運動時や興奮時の呼吸困難として認識される場合が多いですが、安静時にもガーガーという呼吸音がしたり睡眠時にいびきをかくこともよくみられます。
口を開けて、ガーガーという音を鳴らしながら一生懸命に息を吸い込もうとする様子がみられたり、咳や嘔吐がみられることもあります。
呼吸困難が続くとチアノーゼ(舌や口の粘膜の色が紫色になる)になり、重度の場合には失神することもあります。また、気道の閉塞によって肺に陰圧が加わり続けると、肺に水が溜まってしまう肺水腫という怖い病気を起こすこともあります。
通常これらの症状は年齢とともに進行していきますが、肥満なども気道を狭くする要因となるため、これらの症状を悪化させます。

治療に関しては、軟口蓋の垂れ下がった部分を切除する手術や、鼻の穴を大きく広げる手術などがあり、原因によって様々な手術を組み合わせて行うこともあります。
酸素吸入や投薬で対症療法を行うこともありますが根治させることはできず、加齢とともに徐々に進行することが多いので可能な限り早い段階で手術を行うことが望ましいと考えられています。
短頭種では麻酔によるリスクがその他の犬よりも高いため、麻酔管理や手術実績などが重要になります。

軟口蓋過長症・鼻孔狭窄症の手術について

ICUによる術前術後の酸素および温度管理や、麻酔管理など、短頭種に合わせた手術を行い、2023年現在、当院では軟口蓋過長症・鼻孔狭窄症に対する200頭以上の手術実績があります。
前述のように、短頭種気道症候群に対しては比較的若い時期での手術が望ましいと考えられていることから、若い時期の避妊手術や去勢手術とあわせて手術を行うことを勧めています。

下に実際の症例の手術前と直後の写真を示してあります。 鼻というのはとても大切なチャームポイントの一つであり、鼻孔の拡大手術は特に気になるかと思います。 いくつかの手術法がありますが、当院では手術後の美容の観点もふまえて最も適していると思われる方法で施術しております。 なお、術後の抜糸や局所の処置などが必要ない方法で行っています。
手術をご希望の場合はお気軽にお問い合わせください。

  • 手術前

  • 手術後

軟口蓋を切除することにより、広がった気道

  • 手術前

  • 手術後

鼻孔の拡大手術の前後

フレンチブルドッグの皮膚について

フレンチブルドッグは皮膚病が多く、実際にイギリスで行われたフレンチブルドッグ2000頭以上調査した研究でも皮膚病が最も多かったと報告されています。(O'Neill D G., et al., Canine Genet Epidemiol. 2018)

皮膚病の中でも、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎、食物アレルギーなどが多く、顔や尻尾のしわや、狭い耳道(耳の入り口から、耳の奥の鼓膜までの通り道)、硬い被毛などのフレンチブルドッグ特有の特徴により、様々な皮膚や耳の問題も多いことがわかっています。

そのような皮膚の問題で困っている方に向けて、当院では日本獣医皮膚科認定医による皮膚科診察を行っています。
ちょっとした皮膚や被毛、耳などに関するお悩みから、難治性の皮膚疾患や耳の疾患までお気軽にご相談ください。